事件番号:JP2005-0003~JP2005―0010 裁定 申立人: 1.(名称)日本電気株式会社(以下、「申立人1」という) (住所)東京都港区芝五丁目7番1号 2.(名称)パナソニックネットワークサービシズ株式会社(以下、「申立人2」という) (住所)東京都中央区京橋二丁目13番10号 3.(名称)グローバルメデイアオンライン株式会社(以下、「申立人3」という) (住所)東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー11階 4.(名称)エヌ・テイ・テイ・コミュニケーションズ株式会社(以下、「申立人4」という) (住所)東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 5.(名称)日本テレコム株式会社(以下、「申立人5」という) (住所)東京都港区東新橋一丁目9番1号 6.(名称)株式会社ぷららネットワークス(以下、「申立人6」という) (住所)東京都豊島区東池袋三丁目1番1号 7.(名称)さくらインターネット株式会社(以下、「申立人7」という) (住所)大阪市中央区南本町1-8-14 堺筋本町ビル9F 8.(名称)ソニーコミュニケーションネットワーク株式会社(以下、「申立人8」という) (住所)東京都品川区北品川4-7-35 代理人: 弁護士 大原誠三郎 弁護士 神谷宗之介 登録者: (名称)MISSING. JP (住所)千葉県市原市五井5430-7-305 代理人: なし 日本知的財産仲裁センター紛争処理パネルは、JPドメイン名紛争処理方針、JPドメイン名紛争 処理方針のための手続規則及び日本知的財産仲裁センターJPドメイン名紛争処理方針のための手 続規則の補則並びに条理に則り、申立書・答弁書・提出された証拠に基づいて審理を遂げた結果、 以下の通り裁定する。 1 裁定主文 登録者は、ドメイン名「BIGLOBENE.JP」を申立人1に、ドメイン名「HI-HONE.JP」を申 立人2に、ドメイン名「INTERQOR.JP」を申立人3に、ドメイン名「OCNNE.JP」を申立 人4に、ドメイン名「ODNNE.JP」を申立人5に、ドメイン名「PLALAOR.JP」を申立人6 に、ドメイン名「SAKURANE.JP」を申立人7に、及びドメイン名「SO-NETNE.JP」を申 立人8に、それぞれ移転せよ 2 ドメイン名 紛争に係るドメイン名は、「BIGLOBENE.JP」、「HI-HONE.JP」、「INTERQOR.JP」、 「OCNNE.JP」、「ODNNE.JP」、「PLALAOR.JP」、「SAKURANE.JP」及び「SO-NETNE.JP」 である。 3 手続の経緯 別記の通りである。 4 当事者の主張 a 申立人ら 申立人らは、登録者が申立人1~6及び8の登録商標及びドメイン名を実質的に模写し、並びに 申立人7のドメイン名を実質的に模写するドメイン名を採択し、商標及び/又はドメイン名におけ る申立人らの好評を利用する意図をもって当該ドメイン名を登録していると主張する。申立人らに よれば、登録者のドメイン名は、申立人らの商標及び/又はドメイン名と混同を惹起するほどに類 似し、登録者はドメイン名について正当な利益を有していない、そしてドメイン名は不正の目的で 登録され且つ使用されている。 従って、申立人らは、当該ドメイン名の登録のそれぞれの申立人への移転を請求する。 b 登録者 登録者は、申立書の陳述・主張に対し、申立の内容を受け、対象とされているドメイン名を登録・ 使用することの社会的影響等を真摯に受け止め、これらの登録権利を争わないものとし、よって、 登録者は、対象とされているドメイン名の登録をそれぞれの申立人へ移転することに同意すると答 弁する。JPドメイン名紛争処理方針のための手続規則第17条b項は、「両当事者がパネルの裁定 前に和解するとの合意に至ったときには、パネルはその手続を終了しなければならない」定めるの で、このように登録者が申立人らの請求を認諾している場合に、本裁定が必要であるか否かを以下 に検討する。 5 裁定の理由 (1)本件裁定の利益 登録者は、対象とされているドメイン名の登録をそれぞれの申立人へ移転することに同意すると 答弁するけれども、JPRSに対し本件ドメイン名の登録廃止の手続を未だ執っていない。手続規則 第17条b項「裁定前に和解するとの合意に至ったとき」の要件を充足するためには、「答弁書にお ける登録移転の合意」で足りるか、それとも「JPRSによる登録廃止の手続完了」を要するかにつ いて解釈が分かれる。本件では、登録者はJPRSに対し本件ドメイン名の登録廃止の手続を執って おらず、本件ドメイン名の登録が現存する。従って、登録者の答弁にも拘わらず、本件申立人らに は裁定を受ける利益がなお存すると解される。よって、登録者の認諾意思を公証するため、裁定を 下す必要性がある。この判断は、本センターの先例:JP2002―0006事件の裁定と合致する。 (2)認定事実 申立人らの主張に係る事実は、提出された各証拠及び登録者の答弁によってその通りであると認 定することができる。登録者はこれを争っていない。JPドメイン名紛争処理方針第4条aの各要 件が充足されているか否かを以下に検討する。 ( i ) 登録者ドメイン名が、申立人らが正当な利益を有する商標その他表示と同一又は混同を引 き起こすほど類似しているか まず、申立人1は「BIGLOBE」に関するドメイン名と商標権を有し(甲1-1、甲1-2、 甲1-3)、申立人2は、その親会社より「HI-HO」に関するドメイン名と商標権の非独占的使 用権を付与されており(甲2-1、甲2-2、甲2-3)、申立人3は「INTERQ」に関するド メイン名と商標権を有し(甲3-1,甲3-2、甲3-3), 申立人4は、その持株会社より「OCN」 に関するドメイン名と商標権の独占的使用権を付与されており(甲4-1、甲4-2、甲4-3)、 申立人5は「ODN」に関するドメイン名と商標権を有し(甲5-1、甲5-2、甲5-3), 申 立人6は「PLALA」に関するドメイン名と商標権を有し(甲6-1、甲6-2、甲6-3)、申 立人7は、その出資会社より「SAKURA」に関するドメイン名の独占的使用権を継承し(甲7 -1、甲7-2)、申立人8は、その出資会社より「SO-NET」に関するドメイン名と商標権の 独占的使用権を付与されている(甲8-1、甲8-2、甲8-3)。申立人らは、以下に整理する 通り、申立人らの商標その他表示を、申立人らの運用するサイトを示すものとして使用し、且つ、 その経営努力によって著名性を獲得しているので、申立人1~6及び8の登録商標と共に申立人 らのサイトで用いられている「BIGLOBE.NE.JP」、「HI-HO.NE.JP」、「INTERQ.OR.JP」、 「OCN.NE.JP」、「ODN.NE.JP」、「PLALA.OR.JP」及び「SO-NET.NE.JP」の各表示、並び に申立人7のサイトで用いられている「SAKURA.NE.JP」の表示は高い顧客吸引力を取得して いるので、申立人らは、これらを継続して使用する正当な利益を有する。
<申立の根拠となる商標とその使用状況> ┌─────┬─────────┬────────────────────────┐ │ │商標 │商標が使用されている商品・役務の種類と内容 │ ├─────┼─────────┼────────────────────────┤ │申立人1 │甲1-2-1乃至1-2-13 │電気通信(第38類)等 │ ├─────┼─────────┼────────────────────────┤ │申立人2 │甲2-2-1乃至2-2-6 │電気通信(第38類)等 │ ├─────┼─────────┼────────────────────────┤ │申立人3 │甲3-2-1乃至3-2-12 │電気通信(第38類)等 │ ├─────┼─────────┼────────────────────────┤ │申立人4 │甲4-2-1乃至4-2-4 │電気通信(第38類)等 │ ├─────┼─────────┼────────────────────────┤ │申立人5 │甲5-2 │電気通信(第38類)等 │ ├─────┼─────────┼────────────────────────┤ │申立人6 │甲6-2-1及び6-2-3 │電気通信(第38類)等 │ ├─────┼─────────┼────────────────────────┤ │申立人7 │登録なし │電気通信(甲7-2,同7-3)等 │ ├─────┼─────────┼────────────────────────┤ │申立人8 │甲8-2-1乃至8-2-4 │電気通信(第38類)等 │ └─────┴─────────┴────────────────────────┘ <各申立人の登録ドメイン名に係る利用状況・著名性を基礎づける事実> ┌─────┬────┬─────┬───────────┬───────────┐ │ │使 用 開│平成17年│平成17年における1日│ 報道等 │ │ │始日 │の会員数 │あたりの平均アクセス数│ │ │ │ │ (万人) │ (万回) │ │ ├─────┼────┼─────┼───────────┼───────────┤ │申立人1 │H9.1 │ 419│ 2845│甲1-4 │ ├─────┼────┼─────┼───────────┼───────────┤ │申立人2 │H8.11 │ 160│ 330│甲2-4 │ ├─────┼────┼─────┼───────────┼───────────┤ │申立人3 │H7.11 │ 10│ 8│甲3-4 │ ├─────┼────┼─────┼───────────┼───────────┤ │申立人4 │H8.12 │ 464│ 1200│甲4-4 │ ├─────┼────┼─────┼───────────┼───────────┤ │申立人5 │H8.12 │ 135│ 1000│甲5-4 │ ├─────┼────┼─────┼───────────┼───────────┤ │申立人6 │H8.7 │ 180│ 9│甲6-4 │ ├─────┼────┼─────┼───────────┼───────────┤ │申立人7 │H9.1 │ 8│ 1500│甲7-3,7-4 │ ├─────┼────┼─────┼───────────┼───────────┤ │申立人8 │H9.2 │ 245│ -│甲8-4 │ └─────┴────┴─────┴───────────┴───────────┘ ※ 使用開始日、会員数、アクセス数は各申立人の担当者が作成した陳述書を参照
つぎに、申立人らは、下記の通り、JPNICにそれぞれのドメイン名を登録し、他方、登録者も JPNICに下記のドメイン名(以下総称して、「登録者ドメイン名」という)を登録している。な お、申立人2及び7については、資本関係又は提携関係のある第三者がドメイン名を登録してい るが、いずれも当該第三者から使用権を得ている。
┌─────┬──────────────────┬───────────────┐ │ │申立人ら取得ドメイン名(登録日) │登録者取得ドメイン名(登録日)│ ├─────┼──────────────────┼───────────────┤ │申立人1 │BIGLOBE.NE.JP(H8.12.17) │BIGLOBENE.JP(H16.1.25) │ ├─────┼──────────────────┼───────────────┤ │申立人2 │HI-HO.NE.JP(H8.11.27) │HI-HONE.JP(H16.2.1) │ ├─────┼──────────────────┼───────────────┤ │申立人3 │INTERQ.OR.JP(H7.11.30) │INTERQOR.JP(H17.1.28) │ ├─────┼──────────────────┼───────────────┤ │申立人4 │OCN.NE.JP(H8.11.19) │OCNNE.JP(H16.2.1) │ ├─────┼──────────────────┼───────────────┤ │申立人5 │ODN.NE.JP(H8.11.29) │ODNNE.JP(H16.2.1) │ ├─────┼──────────────────┼───────────────┤ │申立人6 │PLALA.OR.JP(H8.7.24) │PLALAOR.JP(H16.2.1) │ ├─────┼──────────────────┼───────────────┤ │申立人7 │SAKURA.NE.JP(H9.1.13) │SAKURANE.JP(H17.1.8) │ ├─────┼──────────────────┼───────────────┤ │申立人8 │SO-NET.NE.JP(H9.2.10) │SO-NETNE.JP(H16.2.1) │ └─────┴──────────────────┴───────────────┘
すなわち、登録者ドメイン名及び申立人らのドメイン名の「.JP」の部分はトップレベルドメイ ンを構成し国別コードから成り、申立人らのドメイン名の「.NE」若しくは「. OR」の部分はセ コンドレベルドメインを構成し組織の種別コードから成り、「BIGLOBE」、「HI-HO」、「INTERQ」、 「OCN」、「ODN」、「PLALA」、「SAKURA」及び「SO-NET」の部分は当該ドメイン名を使用 する主体(ホスト)を示すコードから成るものである。トップレベルドメインおよびセコンドレ ベルドメインはそれぞれホストが属する国および組織を表示するものであるから、登録者ドメイ ン名及び申立人らのサイトのドメイン名において主たる識別力を有するのは、「BIGLOBE」、 「HI-HO」、「INTERQ」、「OCN」、「ODN」、「PLALA」、「SAKURA」及び「SO-NET」の部分 にあるものと認められる。すなわち、両者の要部は共に、「BIGLOBE」、「HI-HO」、「INTERQ」、 「OCN」、「ODN」、「PLALA」、「SAKURA」及び「SO-NET」であって同一であり、全体とし て類似する。従って、登録者ドメイン名は、申立人らのドメイン名における組織の種別コードの 前にある「.」を一箇所抜いたに過ぎず、その概観は酷似しているので、両ドメイン名間には誤認 や混同を惹起させるに十分であると認められる。 従って、登録者ドメイン名は、処理方針第4条a ( i ) の要件に該当する。 ( ii ) 登録者はドメイン名の登録について権利又は正当な利益を有するか 登録者が、登録者ドメイン名の名称で一般に認識されている事実はない。すなわち、登録者の 名称は「MISSING.JP」であり、登録者ドメイン名を使用している登録者サイトも専ら転送先サ イトへの転送のみを目的としており、全く独自の掲載情報を有しておらず、その他にも登録者が 「BIGLOBE」、「HI-HO」、「INTERQ」、「OCN」、「ODN」、「PLALA」、「SAKURA」若しくは 「SO-NET」、又は「BIGLOBE.NE.JP」、「HI-HO.NE.JP」、「INTERQ. OR.JP」、「OCN.NE.JP」、 「ODN.NE.JP」、「PLALA .OR.JP」、「SAKURA.NE.JP」若しくは「SO-NET.NE.JP」という 名称で一般に認識されている事実はない。従って、登録者は処理方針第4条a ( ii ) の要件に 該当する。 ( iii ) 登録者ドメイン名が不正の目的で登録又は使用されているか ( ア ) 平成17年4月8日頃までのドメイン名の不正利用の実態 登録者ドメイン名の現在の使用態様を見ると、登録者ドメイン名を利用した登録者サイトにイ ンターネット上のユーザーがアクセスすると、瞬時に自動的に転送先サイト (http://www.mistake.jp)に転送される仕組みになっており、インターネット上の利用者が登録者 サイトにアクセスすると、強制的に転送先サイトにアクセスさせられることになり、登録者サイ トには全く独自の情報が掲載されておらず、専ら転送先サイトへの転送のみに用いられている。 そして、転送先サイトは、多数の所謂アダルト向け出会い系サイトの勧誘ゲートになっており、 無料での登録を売り物にして入会を勧誘している(申立人1~8が提出した陳述書、甲9~11 のビデオおよび甲12)。 登録者は、インターネット上の利用者が登録者ドメイン名を申立人らのドメイン名と誤認混同 して登録者ドメイン名にアクセスする機会の多くあることを奇貨として、間違ってアクセスした 場合、その利用者は強制的に転送先サイトにアクセスさせられ、多数の所謂アダルト向け出会い 系サイトに接せざるを得ず、当該利用者がその意に反する状態に置かれることを知りながら、敢 えてこれを放置容認して、申立人らのサイト及び社会的信用が毀損されるおそれが生ずる結果と なることを看過し、さらに、これを利用して利用者の一部が転送先サイトからアダルト向け出会 い系サイトの紹介ゲートから入会することを誘引し、出会い系サイトから紹介ゲートフィーを得 ることで商業上の利益を得ることをも意図しているものと言える。かくて、登録者ドメイン名は、 不正の目的で使用されていると言わざるを得ない。 ( イ ) 平成17年4月14日頃から同月19日頃までのドメイン名の不正利用の実態 さらに、平成17年4月14日頃から同月19日頃まで、登録者ドメイン名を利用した登録者 サイトにインターネット上のユーザーがアクセスすると、それまでと同じく瞬時に自動的に転送 先サイト(http://dietnavi.com/pc/index.asp?id=626368)に転送される仕組みになっていたが、同 時期のコンテンツは「メールを読んでクリックするだけ!Get Money!」と題して、アダルト向け 出会い系サイトにアクセスするだけでポイントを獲得し、そのポイントを現金化できることによ り、ユーザーをアダルト向け出会い系サイトに誘引していた(アの既出証拠)。かかる仕組みは、 出会い系サイトから紹介ゲートフィーを得ることで商業上の利益を得ることをも意図しているも のと言える。かくて、登録者ドメイン名は、不正の目的で使用されていると言わざるを得ない。 ( ウ) 平成17年4月20日頃から同月25日頃までのドメイン名の不正利用の実態 同時期になると、各登録者ドメイン名を利用した登録者サイトにインターネット上のユーザー がアクセスすると、それまでと同じく瞬時に自動的に下記の通り転送先サイトに転送される仕組 みになっており、すべての転送先サイトではアダルト向け出会い系サイトが展開されている(ア の既出証拠)。 biglobene.jp-- http://199199.ksds.jp/af/199199/?adv=B835 hi-hone.jp-- http://www.3251.jp/index.asp?aid=2835 interqor.jp-- http://09355.ksds.jp/af/09355/? adv=B835 ocnne.jp-- http://www.3251.jp/index.asp?aid=2835 odnne.jp- -- http://37093. ksds.jp/af/37093/ index. asp? adv=B835 plalaor.jp -- http://www.3251.jp/index.asp?aid=2835 sakurane.jp-- http://19194.ksds.jp/af/19194/index. asp? adv=B835 so-netne.jp -- http://199199.ksds.jp/af/199199/?adv=B835 ( エ ) 平成17年4月26日頃から申立に至るまでのドメイン名の不正利用の実態 申立直前の状況では、登録者ドメイン名を利用した登録者サイトにインターネット上のユーザ ーがアクセスすると、リダイレクトされずアドレスバーはそのままの「BIGLOBENE.JP」、 「HI-HONE.JP」、「INTERQOR.JP」、「OCNNE.JP」、「ODNNE.JP」、「PLALAOR.JP」、 「SAKURA.NE.JP」及び「SO-NETNE.JP」で確認でき、画面には、アダルト向け出会い系サ イトが表示される(アの既出証拠)。 このように1ケ月という比較的短期間に、転送先のコンテンツを二転三転させる登録者の行動 は、インターネット上のユーザーを困惑させ、ひいては申立人らの顧客吸引力や信頼性を害する だけでなく、申立人らが登録者を特定し、ドメイン名の不正利用の実態を捕捉することを困難に する目的に基づいていると言わざるを得ず、その手段は巧妙且つ悪質である。 以上述べた理由から、パネルは、登録者ドメイン名が処理方針第4条a.(i)から(iii)までに定め る要件の凡てに該当するものであると判断する。 6 結論 以上に照らして、紛争処理パネルは、登録者によって登録されたドメイン名「BIGLOBENE.JP」、 「HI-HONE.JP」、「INTERQOR.JP」、「OCNNE.JP」、「ODNNE.JP」、「PLALAOR.JP」、 「SAKURA.NE.JP」及び「SO-NETNE.JP」が申立人らのそれぞれの商標及び/又はドメイン名 と誤認混同を引き起こすほど類似し、登録者が当該ドメイン名の登録について権利又は正当な利益 を有しておらず、そして登録者ドメイン名が不正の目的で登録又は使用されているものと裁定する。 よって、処理方針第4条iに従って、ドメイン名「BIGLOBENE.JP」、「HI-HONE.JP」、 「INTERQOR.JP」、「OCNNE.JP」、「ODNNE.JP」、「PLALAOR.JP」、「SAKURA.NE.JP」及 び「SO-NETNE.JP」の登録をそれぞれの申立人に移転するものとし、主文の通り裁定する。 2005年8月25日 日本知的財産仲裁センター紛争処理パネル 小原喜雄 単独パネリスト 別記(手続の経過) (1)申立書受領日 2005年6月24日(電子メール及び窓口) (2)申立手数料受領日 2005年6月29日 (3)ドメイン名及び登録者の確認 2005年6月28日 JPRSへ照会 2005年6月28日 JPRSから登録情報の確認 確認内容:申立書に記載された登録者はドメイン名の登録者であること (4)適式性 日本知的財産仲裁センターは、2005年6月28日に申立書が処理方針と規則に照らし 適合しているかを確認したところ不備が発見されたため申立人に通知した。 補正申立受領日 2005年7月5日(電子メール及び小包書留郵便) (5)手続開始日 2005年7月7日 手続開始日の通知日 2005年7月7日(JPNIC/JPRS、申立人) (6)登録者への通知日及び内容 1) 2005年7月7日 2) 申立書及び証拠等一式(電子メール及び配達証明郵便) 3) 答弁書提出期限日 2005年8月5日 (7)答弁書提出日 2005年7月29日(電子メール及び配達証明郵便) (8)パネリストの選任 2005年8月5日 単独 パネリストの氏名 弁護士 小原 喜雄 (9)紛争処理パネルの指名及び裁定予定日の通知日 2005年8月5日 (10)中立宣言書の受領日 2005年8月22日 (11)裁定日 2005年8月25日